ウーパールーパーを知ろう!面白い生態や飼い方を網羅!

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ウーパールーパーってどんな生き物?

まずはウーパールーパーという生物の特徴や生態、歴史などについて見ていきましょう。

特徴

ウーパールーパーはメキシコ原産の両生類で、和名はメキシコサンショウウオと言います。ウーパールーパーというのは流通名で、メキシコの言語で「愛の使者」という意味の言葉が由来となっています。ウーパールーパーは最大で全長25cm程度にまで成長し、頭部の左右に3つの外鰓があるのが大きな特徴です。ウーパールーパーは、くりっとした目とゆったりとした動き、愛嬌のある容姿からペットとして親しまれています。

 

ウーパールーパーの面白い生態

ウーパールーパーは、幼生成熟(ネオテニー)と呼ばれる面白い生態を持っています。私たちがよく目にするウーパールーパーの姿は、幼体つまり子供の姿ですが、ウーパールーパーは子供の姿のまま大人になり、子孫を残すことができるんです。ウーパールーパーは大人の姿になることも可能で、飼育下ではサイロキシンという物質を投与したり、飼育水の水位を変化させることで変態(子供から大人への変化)させることができたという例があります。ただし、自然界でも飼育下でも、一般的には幼体のまま成熟することの方がほとんどです。

ウーパールーパーの野生個体は絶滅危惧種

ペットとして流通しているウーパールーパーですが、野生個体は絶滅の危機に瀕しています。2006年にはIUCNレッドリストでCRと呼ばれる絶滅寸前の種であるとされており、いつ絶滅してもおかしくないという状況まできているようです。ウーパールーパーの生息地であるメキシコのソチミルコ湖周辺では都市開発が進み、水質汚染も深刻であることから、ウーパールーパーの生息環境が著しく悪化したことが絶滅が危惧されている原因です。そのため、現在流通している個体は全て養殖個体となっています。

ウーパールーパーブームの歴史

ウーパールーパーは1985年のTVCMがブームの火付け役となりました。焼きそばカップ麺でおなじみの日清が日清焼きそばU.F.Oのテレビコマーシャルでウーパールーパーを起用し、その可愛らしさから日本で大ブームが起こりました。その後も様々なメディアでたくさんウーパールーパーが取り上げられ、当時を経験した方は、その盛り上がり方の凄さを覚えているかと思います。ただし、ブームは去るもの。一気にウーパールーパーブームは収束し、それ以降は一部の愛好家に飼育されるペットとなりました。

ウーパールーパーの種類と価格相場

ウーパールーパーには様々な種類(品種)がいます。ウーパールーパーの品種と価格の相場についてご紹介します。

リューシスティック

ウーパールーパーの代表的な種類で、白い体に黒目がとても可愛いです。

アルビノ

リューシスティックは目が黒色ですが、アルビノは目まで白いのが特徴です。透明感のある姿が人気です。価格は1500~2500円です。

マーブル

原種に近い体色のウーパールーパーです。全体的に黒〜褐色で、渋い印象です。価格は1500~2500円です。

ゴールデン

黄変個体を固定化した品種です。その名の通り、金色のボディがゴージャスです。価格は1500~2500円です。

ブラック

マーブルよりもさらに黒い体色が特徴の種類です。価格は2000~3000円です。

ダルメシアン

白と黒のぶち模様のウーパールーパーです。価格は2000~3000円です。

ウーパールーパーの飼い方(飼育の基本)

ウーパールーパーの飼育の基本についても解説していきます。いくつか注意すべき点はありますが、きちんとポイントを押さえれば初心者でも飼育は十分可能です。

水温・水質

ウーパールーパーは高水温に弱い生き物です。水温は25度以上にならないようにクーラーやファンで対策を行う必要があります。30度以上となると命の危険がありますので、夏場は特に注意しましょう。水質ですが、急激なphの変化がないように心がけましょう。水合わせをしっかりと行えば、水質に関してはそれほど気にかける必要はありません。また、定期的な換水はしっかりとしましょう。

水槽・フィルター

ウーパールーパーは最終的には体長が30cm近くにまで成長しますので、最低でも60cm水槽が必要になります。小さな頃はもっと小型の水槽でも飼育できますが、水量が少ないと水質悪化も早くなりますので、注意が必要です。フィルターはろ過能力の高い上部式フィルターや外部フィルターを用いると日々もメンテナンス頻度を少なくすることができるので、おすすめです。

その他飼育に必要な道具

ウーパールーパーの飼育にあたり水槽・フィルター以外には、主に下記の道具が必要ですので準備しましょう。

 

・水温計

・カルキ抜き

・水換えホース

・バケツ

・水槽用ライト

・底砂

・隠れ家となるアクセサリー

レイアウト

ウーパールーパーは活発に動き回る生き物ではありません。また、夜行性であるため、日中は餌をあげる時以外はほとんど寝ています。ですので、隠れ家となるドカンや塩ビ管といったアクセサリーを配置したシンプルなレイアウトが良いでしょう。成長に連れて、隠れ家のサイズは変えてあげる必要があります。また、大きくなると排泄の量も多くなり水を汚しやすいので、掃除がしやすいようなシンプルなレイアウトがおすすめです。

水換えの頻度

ウーパールーパーの飼育における水換えの頻度ですが、飼育水槽サイズや使用しているフィルターによって大きく変わります。60cm水槽・外部フィルターという環境で2~3匹飼育しているのであれば、5~7日に1度、1/3~1/2程度の換水で良いでしょう。

ウーパールーパーの餌

ウーパールーパーは自然下では、甲殻類や小魚などを食べています。飼育下においては、ウーパールーパー専用の人工飼料をメインに、成長に合わせて赤虫やメダカ、金魚などをバランスよく与えてあげましょう。ウーパールーパーに餌をあげる際は与えすぎに注意し、食べ残しはできるだけ早く取り除くようにしてください。特に、水温が上がりやすい夏場は、食べ残しは水質悪化の原因となりますので、注意しましょう。

ウーパールーパーの混泳

ウーパールーパーは同種同士や熱帯魚などの他の生き物と混泳が可能なのでしょうか。ウーパールーパーの混泳についてもご紹介します。

ウーパールーパー同士での混泳

ウーパールーパーは複数匹での飼育も可能です。ただし、ウーパールーパーはとても視力が弱いため、目の前に混泳相手のウーパールーパーがいると、餌と間違って噛み付いてしまうこともあります。多少の怪我であれば自然治癒しますが、思わぬ事故にもつながりますので、できれば単独飼育が良いでしょう。多頭飼育する場合も、広めの水槽を用意してあげるなと配慮が必要です。

エビや熱帯魚との混泳

ウーパールーパーは動きが緩慢なので、熱帯魚やエビといった他の魚を一緒に水槽に入れておいてもなかなか食べられなかったりしますが、基本的には餌として認識しますので、混泳は避けたほうが無難です。また、反対にウーパールーパーのひらひらした外鰓をつついてしまうような熱帯魚との混泳もNGです。

ウーパールーパーの気をつけたい病気や怪我

ウーパールーパーを飼う上で覚えておきたい病気や怪我をご紹介します。

水カビ病

水カビ病は、白い綿のようなカビが体表にくっつくことで体力を消耗し、最悪の場合死んでしまう病気です。水カビ病にかかってしまう原因は水質悪化が主な原因で、初期段階ではこまめな換水で治癒する場合もあります。水カビ病の病原菌は高水温では活動が鈍ることから、水温をあげてあげるのも効果的とされていますが、高温はウーパールーパーの体力も消耗してしまいますので注意が必要です。塩浴も効果がありますが、ウーパールーパーは体表に鱗などがなく水質に敏感なため、濃度は0.1~0.2%程度の薄めで行うほうが良いでしょう。

浮遊病(ぷかぷか病)

体内にガスが溜まることで、常に水面に浮いたような状態になるのが浮遊病です。餌の質が悪かったり、古い餌を与えてしまうなどが原因でかかる病気と言われています。また、人工飼料ばかりを与えていても発症するとも言われていますので、バランスよく様々な餌を与えてあげるようにしましょう。

腹水病

浮遊病とは反対に、常に底に沈んでしまい浮かぶことができなくなる病気です。腹水病にかかるとお腹が異常なほど膨れ上がります。原因としては内臓疾患、ウイルス感染など様々な要因があると言われていますが、原因を特定するのは難しいのが現状です。

多頭飼いによる噛みつき事故

ウーパールーパーを多頭飼育している場合は、噛みつき事故による怪我に注意が必要です。場合によっては、足や鰓が欠損してしまうこともあります。多頭飼育をしている以上、完全に事故を防ぐことはできませんが、できるだけ低密度で広めの水槽で飼育してあげると良いでしょう。

ウーパールーパーって実は美味しい!?おすすめは唐揚げ?

ペットとして親しまれているウーパールーパーですが、実は食用としても流通しているんです。ウーパールーパーのペットブームが終わった後に、なんとかして他の活用方法がないかと考え出された結果が、食用という道だったとも言われていますが、さすがに食用として定着するまでには至っていないようです。ただ、一部のお店ではウーパールーパーの料理を提供しているのも事実で、おすすめ唐揚げなんだとか。関東や関西にもウーパールーパーの唐揚げを提供してくれる料理店がありますので、気になる方は食べに行ってみてください。

 

詳細は下記リンク先記事で紹介しています。

ウーパールーパーが唐揚げに!?食べられるお店や気になる味は?

2018.12.03

ウーパールーパーの繁殖

ウーパールーパーは水槽内で繁殖させることも可能です。

まずは健康的な雌雄と環境の準備

まずは、健康的な成熟した雌雄のペアを準備することから始まります。病気にかかっていたり、病気が治癒していても体力が十分に回復していない個体では、繁殖を行うことができません。健康的な個体を用意しましょう。また、卵をうみつけるための水草を水槽内にたくさん入れてあげるようにしましょう。

繁殖のきっかけを作る

ウーパールーパーは水温の変化によって季節を感じることで、繁殖行動に入ります。まずは、水温を5~10度程度で2~3週間保ちます。そうすると、メスのウーパールーパーのお腹が徐々に膨れ上がってきます。一方で、オスのウーパールーパーも総排出口が膨れてきます。こうなったら、繁殖まで残りわずかです。

いよいよ産卵!

ウーパールーパーの繁殖準備が整ったら、今度は水温を少しずつ上昇させていきます。これによりウーパールーパーは春を感じ、繁殖行動に移ります。発情したオスは精包を体の外に出します。これに合わせてメスは精包を取り込み、卵と受精させます。およそ数時間から2日ほどで受精が終わり、産卵が始まります。産卵はゆっくりと時間をかけて行われ、2~3日ほどで全ての産卵が終わります。卵は水草に産み付けられていますので、水草ごと別の容器に移動しましょう。

卵の孵化&幼生の飼育

ウーパールーパーの卵は産卵後14日前後で孵化してきます。生まれたばかりのウーパールーパーの幼生は体長1cmほどで、初期資料にはブラインシュリンプがおすすめです。幼生は孵化後すぐに泳ぎだし餌を食べますので、孵化に合わせてブラインシュリンプを沸かしておくようにしましょう。孵化後1週間〜10日ほどで体長は倍の2cm前後になり、前足もはっきりと生えてきます。さらに2週間後には赤虫も食べることができるようになりますので、成長に合わせて餌の切り替えをしましょう。また、成長していくに従って、個々の体長にばらつきが出てきます。体長に差が出てきたと感じたら、飼育容器を小分けにしてあげるよ良いでしょう。

ウーパールーパーの寿命ってどれくらい?

ウーパールーパーは以外に長生きな生き物で、飼育下でも10年程度は余裕で生きます。ただし、これは幼生のまま生きた場合で、成体に変態した場合は寿命が3~5年程度と短くなる傾向にあるようです。ウーパールーパーを長生きさせるためには余裕のある環境で、できるだけ体の負担が少ない飼育を心がけることが重要です。ウーパールーパーを飼育する以上、寿命を全うさせてあげることは、飼育者の使命とも言えますので、愛情を持って育ててあげてください。

ウーパールーパーに癒されよう!

ウーパールーパーは過去に一代ブームになっただけあって、とても愛嬌があって可愛い生き物です。高水温などに弱い面はありますが、長生きでじっくりと愛情を注いで飼育できるペットですので、ぜひ飼育にチャレンジしてみてください。つぶらな瞳と可愛らしい動き・顔に癒されること間違いなしですよ。

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